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切らずに治す、痔の新しい治療。
切る必要があっても、全例が日帰り手術です。
痔を切らずに注射で治す ALTA療法 入院不要
痔は生活習慣病です。運動不足や肥満になりがちな現在の日本では、潜在患者も含め、多くの方が痔(じ)で悩んでいます。しかし、直接命に関わらない上に、恥ずかしさや、痔の手術は痛いという評判などから医療機関に行くのをためらっている患者様が多いのが現状です。ある調査では痔を自覚してから医療機関に行くまでに平均8年かかるそうです。そうした中、
「手術せずに済む」、「治療後の痛みや出血が少ない」など多くのメリットがある、まったく新しい痔の薬物注射療法「四段階注射法」が登場しました。
痔についてもっと知りたい.い~痔~ネット
痔ってナニ?
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痔核は、俗にいぼ痔といわれ、肛門を閉じるのに役立っているクッション部分にある血管網に血がたまり、静脈瘤となってふくらんだ病気です。肛門の内側にできる内痔核が最も多く、肛門の外側にできる外痔核は非常に痛いのが特徴です。もともと血管がふくらんだものですから、出血しやすく、大きくふくらむとクッション部分から剥がれて内痔核が肛門外に脱出してきます。内痔核は直腸内の3カ所が好発部位で、そのうちの2、3カ所にできている場合が一般的です。この内痔核こそが、「四段階注射法」の適応です。 |
内痔核の状態を4つに分類する
1度:肛門から内痔核の脱出はしていないが、排便時に出血を伴うことが多い。
2度:排便時に内痔核が脱出するが、自然に戻る。
3度:排便時に内痔核が脱出し、指で押し込まないと戻らない。
4度:排便に関わらず内痔核が脱出したままで、指で押し込んでも戻らない。
この分類は内痔核の大きさと患者様の不快感の程度を反映するものです。
「四段階注射法」はどの段階の内痔核に対しても有効ですが、2度、3度程度がよい適応と言えます。どの段階でも症状は軟膏処置で軽快はしますが、満足できる効果が得られなかったり、再発率が高いなどの問題があります。4度の場合は複数回の「四段階注射法」が必要な場合もあります。
当院のお薦め。四段階注射法(ジオン注射)
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当院では外来治療を行っています。
具体的な治療の流れは次のようになります。
まず、当院を受診していただき、痔の状態を診察させていただきます。
四段階注射法による治療を希望される場合
- 手術日の決定・・・施術は20分程度ですが、術前の準備などを含め、来院からお帰りまで2時間程度とお考えください。
- 術前検査・・・施術のために必要な血液検査、心電図検査などを行います
- お薬の処方・・・施術前日に飲んでいただく下剤などを処方します。
施術日
- 点滴をします。抗生剤を投与します。
- 肛門を取り巻く括約筋を麻酔で緩めます。この麻酔の目的は肛門の筋肉を緩めることですので、注射をする時の痛みは、チクチクとする程度ですが、施術中も感じます。
- 次に内痔核一つにつき、4ヵ所に順に薬液を注射します。だから、「四段階注射法」です。痔核へ流れ込む血液の量が減り、出血が止まります。
- 施術後はしばらく休んでいただき、特に異常がなければお帰りいただけます。
施術後の受診
切除を行った患者さんは翌日に受診してください。ジオン注のみの患者さんは1週間後に受診してください。その後は週に1回程度で1-2ヶ月は経過を見させていただいています。痔核は徐々に脱出の程度が軽くなり、術後1日目から1ヶ月くらいで脱出がなくなります。
以上、書くと簡単ですが、正しい場所に正確な量の薬液を注入するには技術と経験が必要です。ですから「四段階注射法」は大腸肛門病学会に所属し、痔核治療の経験が豊富で「四段階注射法」の講習を受けた医師のみが施行することができます。費用は健康保険適応です。3割負担の方で初診時3-4千円、施術日2万5千円程度です。 |
治療成績
全国の医療機関で脱出する痔核に対して、従来の手術と本療法を行い比較したところ、28日後の脱出の消失率は、本療法で94%と手術と同程度の結果を示しました。また、本療法後1年間の再発率は16%と良好でした。 一方で手術と同様に、術後膿瘍や潰瘍形成などの合併症もまれに発生しています。ですから、術後もしっかりと経過を診ることが大切です。
H23年度の当院での日帰り手術は259例。
女性148人男性111人で女性がやや多かったです。年齢は20歳から91歳(平均年齢50歳)でした。ご高齢の方でも入院の必要はありませんでした。
H28年度の当院での日帰り手術は303例でした。H19の開院から日帰り手術の総数が2084件となりました。
当院の手術は全て院長が1人で施術しています。